館長紹介

氏名

古林 寛 (ふるばやし ゆたか) 博士(理学)

略歴

これまでの業績

理数系、工科系一般講義の運営 (以下、講義一覧)
  1. 金沢工業大学在籍時(2007-2010 年): 無機化学、物理学、結晶学、化学実験(有機、物理、分析)、工学基礎実験、工学設計(実習)
  2. 広島大学在籍時 (2014-18 年): 院試ゼミ(電磁気学)
  3. 佐々木理数塾在籍時(2021-22 年): 中学~高校の数学・物理・化学の講義ならびに個人指導
透明導電膜材料に関する諸発見

透明導電膜は、可視光に対して透明な一方で電気を流せる薄膜の総称であり、液晶ディスプレイや太陽電池電極など、世界のITやエネルギー技術に不可欠な材料である。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、二酸化チタン等がこれらに相当する。私古林が残した主な業績の概要を、以下に示す。

  1. 反応性プラズマ蒸着法(以下、RPD法)で成膜した酸化インジウム膜が、非常に薄くなっても(5 nm; 20万分の1 mm)世界最大級の移動度を示すことを発見した。
  2. 非晶質酸化インジウムの結晶化の様子を二次元X線回折装置によりその場観察し、その結晶粒の生成、成長、移動の様子を世界で初めて詳細に解明した。
  3. 上記現象において、非晶質→多結晶膜に移行する最重要物性値である「結晶化温度」の厳密な定義を提唱した。
  4. 酸素負イオン(O-)照射法により、Sn添加酸化インジウム膜を、結晶やSn濃度を全く変えることなく、金属状態から絶縁状態に変えることが可能であることを発見した。
  5. 上記手法によりバンドギャップも制御出来ることが分かった。この現象は従来のメカニズムでは説明できないため、新規メカニズムを提唱した。
  6. Nb添加アナターゼ二酸化チタンが、透明導電膜材料として有望であることを発見した。
  7. 大量生産に最適な有機金属化学気相成長法により、最大級の移動度を有する酸化亜鉛薄膜の作製に成功した。
  8. 酸化亜鉛薄膜の極性(表面が亜鉛面か酸素面か)の判定に、安価なゼータ電位測定が使えることを発見した。

上記のうち、多くの成果が、企業との共同研究により実現されたことを明記する。

(1)-(5): 住友重機械工業株式会社, (2)-(3): 株式会社リガク+ 住友重機械工業株式会社, (7): 古河機械金属株式会社

Si, SiC ベースの素子(デバイス)作製

自動車メーカー大手マツダ株式会社との共同研究により、ペルチェ素子を搭載したSiC母体パワー素子作製の開発研究を行った。概要は以下の通りである。

  1. パワー素子の吸熱のためには、ペルチェ素子材料としてSiが有望であることを示した。
  2. クリーンルーム施設の装置を用い、Si母体ペルチェ素子をSiC母体パワー素子に三次元的に集積した複合素子の作製に成功した。
C言語によるプログラミング

研究実施にあたり、C言語を用い、独自の解析プログラムを作製した。

  1. 光学解析プログラム: 透過/反射スペクトルを用い、二酸化チタンや酸化インジウムの光学特性を解析した。
  2. X線プロファイル温度依存性の解析プログラム: 温度上昇に伴うX線回折ピーク形状の発展の様子を解析した。本プログラムは、数100 個オーダーの膨大なデータを自動解析するのに役だった。
  3. 熱電特性解析プログラム: 熱電特性を表すパラメータを誤差付きで評価出来るプログラムを作製した。

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