数式が長すぎて見えない場合、横にスライドしてみてください。
高校数学では取り上げませんが、複素数分野において基礎・応用いずれにおいても重要なのが、オイラーの定理です。
数学II で習う三角関数の加法定理は、以下の通りです(tan の式は下式から求められます)。数ある数学の公式の中でも、覚えにくいものの一つと思われます。
受験分野では語呂合わせで覚えさせることが多いのですが、特に理系の皆様は、オイラーの法則を用いて導出出来るようになることをお勧めします。
以下、いずれも複号同順です。
オイラーの定理より、
指数法則より、
(3) と (4) の左辺(± の + の方) は一致するので、それぞれの実部と虚部を比較して、
cos (α+β) = cos α cos β - sin α sin β
sin (α+β) = sin α cos β + sin β cos α
sin(−β) = −sin β, cos(−β) = cos β を使うことで、cos (α-β), sin (α-β) も求めることが出来ます。
数学III で扱うド・モアブルの定理に関しても、指数法則と組み合わせることで、簡単に導出することが出来ます。
オイラーの定理の証明はテイラー展開を用いることが多いため、大学入試において、加法定理を証明する手段としては使えません。テイラー展開には三角関数の導関数が必要であり、導関数の導出には加法定理が必須であることが、その理由です。